【NAGANO ORGANIC AIR】は、『有機的』な連携で地域の可能性を広げる、アーティスト協働プロジェクトです。 今回、信州いいやま観光局はホストとして協力いたしました。その招聘アーティストとして、映画監督の森井勇佑さんが長野県有数の豪雪地帯である、この飯山市に1週間滞在しました。代表作「こちらあみ子」や、2024年秋から公開された「ルート29」で知られる森井監督は、第17回みゆき野映画祭in斑尾で自身の作品を上映。中でも、斑尾高原スキー場の雪上に映し出されたミュージックビデオ「もしもし」は、幻想的な光景で観客を魅了し、森井監督自身も深く感動されたようです。鳥取から姫路までの美しい風景を「ルート29」に収めた森井監督。豪雪の飯山での1週間は、彼の目にどう映ったのでしょうか?

森井勇佑監督 プロフィール
1985年生まれ、兵庫県出身。日本映画学校映像学科(現:日本映画大学)を卒業後、演出部として映画業界に入り、大森立嗣監督などの現場で助監督を務める。2022年、今村夏子の同名短編小説を映画化した『こちらあみ子』で監督デビュー。同作はロングラン上映され、第27回新藤兼人賞金賞など多数の賞を受賞。2024年には、中尾太一の詩集を原作とした映画『ルート29』が公開された。
森井監督の作品は、日常に潜む非日常的な瞬間を捉え、観る者の心を揺さぶる力を持っています。その独特な世界観は、多くの観客を魅了し、今後の活躍が期待される映画監督の一人です。

豪雪の飯山に惹かれた森井監督の足跡
2025年2月10日から17日までの1週間、【NAGANO ORGANIC AIR】の招聘アーティストとして、森井勇佑監督が長野県屈指の豪雪地帯である飯山市を訪れました。到着前日、飯山市は記録的な豪雪に見舞われ、あたり一面は白銀の世界。自身の身長を優に超える雪壁を目の当たりにした森井監督は、
「こんな見渡す限りの雪景色は初めてだ!」
と、その圧倒的な雪の量と幻想的な風景に心を奪われた様子でした。
滞在中、森井監督は精力的に飯山市内を歩き回りました。映画『こちらあみ子』の制作時にも、単身で広島の街を歩き続けたという森井監督。今回もまた、雪深い飯山の町を隅々まで巡り、その空気感を肌で感じ取ろうとしていました。




雪上に浮かび上がる映画の世界 – みゆき野映画祭での感動
飯山滞在中の2月15日、森井勇佑監督は第17回みゆき野映画祭in斑尾に参加しました。まず、飯山市文化交流館なちゅらの小ホールにて、森井監督の代表作である『こちらあみ子』が上映されました。映画の世界観に引き込まれ、あみ子やその家族の選択に、観客はそれぞれの想いを抱いたようでした。
そして夜、斑尾高原スキー場に場所を移し、いよいよ雪上スクリーンでの上映です。上映されたのは、『こちらあみ子』の主題歌である青葉市子の「もしもし」のミュージックビデオ。真っ白な雪上に映し出される幻想的な映像と音楽は、まるで映画の世界が現実と交錯するような、息をのむ美しさでした。
森井監督自身も、雪上スクリーンでの上映は初めての経験であり、
「とても良い!青葉市子さんにも報告しよう」
と、深く感動した様子でその光景を動画に収めていました。会場には、地元の方だけでなく、海外からの観光客も訪れており、雪上スクリーンに映し出される映像に魅了されていました。
映画祭では、森井監督の作品上映の他にも、多彩な映画が上映されました。雪と映画、そして人が織りなす温かい空間は、参加者にとって忘れられない思い出となったことでしょう。




豪雪の飯山が、森井監督の創造性を刺激する
豪雪の飯山での1週間は、森井監督の心に深く刻まれたことでしょう。雪がもたらす圧倒的な風景、雪国の人々の温かい暮らし、そしてみゆき野映画祭での感動的な体験。これらの要素は、森井監督の今後の作品にどのような影響を与えるのでしょうか。
森井監督は、日常に潜む非日常的な瞬間を捉え、観る者の心を揺さぶる作品を生み出してきました。飯山市での体験は、森井監督の感性をさらに研ぎ澄まし、新たな物語を紡ぎ出すインスピレーションとなるはずです。
雪は、時に厳しく、時に美しい表情を見せます。ホストとして、森井監督が飯山市で感じたこと、考えたことが、今後の作品にどのように反映されるのか、とても楽しみです。





