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例年5万人以上の来場者で賑わう、飯山の冬を代表するイベントといえば「いいやま雪まつり」。
毎年2月の第2土・日曜日に開催され、雪像コンテストや雪中神輿、スノースライダー、雪中ライブなど、まさしく「雪」にちなんだ各種催しが行われています。
このイベントは、日頃から飯山市民が負担に感じている雪を逆に「資源」としてとらえ、雪を利用し、雪と遊び、雪と親しみ、共存することで地域活性化をはかり、快適で魅力ある雪国を実現していこうという想いから生まれました。
「克雪から遊雪へ」をテーマに、市民や訪れた人に雪で遊ぶ楽しさ、雪の美しさを体感してもらうことが目的です。
そのはじまりは、昭和57年。当時、飯山商工会(現:飯山商工会議所)の青年部員が中心になり、飯山の資源である雪を利用して雪像を作ろうという発想から取り組みがスタート。昭和58年2月、初めての雪像作りに挑戦したことをきっかけに、翌年から本格的なイベントへと成長していきました。
当時はお金がなく、毎日協賛金集めに奔走したとか、仕事を放ったらかしで毎日事務所で準備をしたとか、苦労話や逸話が数限りなくあるそう……。小雪の時も大雪の時も、その年々で気象条件が異なるなかでも「市民参加による手づくりの雪まつり」という基本は崩さず、知恵を出し合いながら今日まで続けられています。
雪の飯山を再発見すること。雪の飯山を旬にすること。雪の飯山をおもしろくすること。それがいいやま雪まつりのスピリットなのです。
雪まつりでは、高さ3メートル、横幅20メートルを超える大きな雪像から路上に並ぶ小さな雪像まで、およそ100体以上もの雪像が市内全域に現れますが、すべて市民によって作られています。
ぜひ注目したいのが、4つの部門に分かれて雪像の出来栄えを競う「雪像コンテスト」。
なかでも、力作揃いの大型雪像がエントリーする「商店街の部」と「一般の部」では、イベント開催の1週間前から制作をはじめ、夕方から夜にかけて、極寒のなか大きな雪像を作り上げていきます。
「せっかく見に来てくれた人たちをガッカリさせたくないから、ちゃんといいものを作りたい」と語ってくれたのは、福寿町区雪まつり実行委員会で雪像部長を務める石井辰也さん。
商店街の部で、9年連続最優秀賞に輝いた経歴を持つ福寿町は、まちの公民館部員を中心に25名ほどのメンバーが集結。なかには「雪像作りが好きだから」という理由だけで、役割がなくとも参加してる人も。さらに、イベントの前日は仕事を休み、1日かけて雪像の仕上げに力を注ぐ人もいるんだとか……!
毎年、福寿町の守り神である「龍」をモチーフに、世代を超えて楽しみながらダイナミックな作品を仕上げ、イベントを盛り上げてくれています。
【いいやま雪まつりの主な会場となる市街地MAP】
毎年、すべてまわりきれないほど見どころがたくさんあるいいやま雪まつり。
主に「飯山城址公園」と「飯山市文化交流館なちゅら」の2会場で各種催しが行われるので、どこでなにが行われるかは事前にチェックを入れておきたいところです。
その他、事前に知っていたら雪まつりをより楽しめるコツをご紹介します。
雪のなかで子どもたちを全力で遊ばせたい!という方、必見。
イベント期間中、会場内で雪遊びも楽しめるのが飯山城址公園エリアです。
この会場の見どころの一つといえば、自然の地形を生かした名物「スノースライダー」。子どもから大人まで、安全かつスリリングに楽しめるよう、実行委員が何度も試乗を重ねて誕生する特設コースです。専用のタイヤチューブに乗って、迫力ある滑りを楽しみましょう。
スノースライダーブースのすぐ近くにはお手洗いも完備されているので、服が濡れてしまったときなどの着替えの際にも活用できそうです。
飯山城址公園会場をメインに雪まつりを楽しむ方におすすめな駐車場
・飯山高校
・コシナ飯山事務所
>>雪まつり当日の駐車場情報はこちらをご確認ください
大型雪像は、本町商店街の7か所と飯山城址公園に展示されますが、飯山駅から城址公園に向かう道路沿いにも、商店街の皆さんなどによるかわいらしい雪像や雪灯籠が並ぶのでこちらもぜひチェックを。
また、雪降りの日には雪国ならではの「雁木通り(がんぎどおり)」を活用したり、飯山冬の名物「バナナボード」を販売している和洋菓子店に立ち寄ってみるのもおすすめです。
大型雪像の展示会場付近では、ご近所の方による「ふるまい」も行われています。温かいきのこ汁やパンなど、各会場によって内容が異なるのでどんなものをいただけるかは現地でのお楽しみ。雪像を目掛けてまちを歩きながら、地元の方との交流もぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
なちゅら会場と飯山城址公園会場は、距離にしておよそ1.5キロ離れています。
公共交通機関の場合、徒歩以外の選択肢として「JR飯山線」もしくは「野沢温泉ライナー」の活用が便利です。本数が限られているため、あらかじめ時刻表を確認してからの乗車がおすすめ。
◎なちゅら会場 「飯山駅」下車
◎飯山城址公園会場 「北飯山駅」下車
▼JR飯山線
詳しくはJR東日本公式HPの時刻表で検索してください。
▼野沢温泉ライナー (予約不要)
※飯山駅行きは、バス停の道路反対側でお待ちください
※上記のバス時刻は、冬季の時刻表より一部を抜粋したものです
※2025年3月の情報です。最新情報はこちらでご確認ください
この雪まつりにはたくさんの飯山市民が関わっています。
主に全体の企画・運営スタッフとして動いているのが、通称「赤ジャン」のメンバー。
会場内で、なにか困りごとがあれば、左腕に雪の結晶のマークが入った赤色のジャンバーを着用したスタッフまで気軽に声をかけてみてくださいね。
「克雪」「利雪」「親雪」「遊雪」を合言葉にはじまったいいやま雪まつり。
毎年5万人以上もの来場者数を誇る、飯山冬の一大イベントにまで成長した今では、高速道路や新幹線を利用して、便利にアクセスできるようになりました。
◎JR北陸新幹線 はくたか号「飯山駅」で下車
◎上信越自動車道 豊田飯山ICより約15分〈駐車場情報はこちら〉
豪雪に屈せず、ポジティブなアイディアで雪を楽しみ尽くそうとするパワフルな飯山市民たちが待っていますよ!ぜひ一度お出かけください。
では、よい週末を〜!
お問い合わせ | いいやま雪まつり実行委員会 |
電話 | 0269-62-0156 |
公式WEBサイト | https://www.isnowfes.org/index.php |
〈フォトギャラリー〉
執筆:くわはら えりこ
撮影:小林 直博
記事公開日:2025年3月26日